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コラム

- 第2章 - 第5回 咀嚼と老化

咀嚼と老化の関係を物語る、面白い実験結果があります。
下図はお年寄りを「普通に噛める」グループと「普通に噛めない」グループに分け、老化目安の調査の簡易法としての「開眼片足立ち法」(目を開け、何分片足で立てるか)を調べたものです。
明らかに「普通に噛める」グループの方が老化がおそいことがわかります。又体力、握力なども勝っていることがわかります。


体重 普通に噛める 普通に噛めない
体重 54kg 54kg
48kg 44kg
握力 25kg 22kg
14kg 11kg
開眼片足立 男性 18秒 10秒
14秒 6秒

※調査対象:沖縄県大宣味村老人健康調査による(1988年:東京都老人総合研究所)


お年寄りと咀嚼
 
100歳以上長寿者の食事状態と咀嚼状態を調べてみると、なんと6割近くの人が「なんでも食べられ」、5割の人が咀嚼は「良好」であるというデ-タ-があります。長寿の方は歯が丈夫で、良く噛める傾向が強いことが証明されているのです。
 
また、老人性痴呆症の発病傾向にも、歯は大きく影響しているようです。歯がしっかりと残っている人では、約3割の人が軽い痴呆症を発症している程度の割合ですが、歯がほとんど、あるいは全くない人では、約6割の中~重度の痴呆症が発症している割合となっているそうです。
 
最近、咀嚼(そしゃく:噛むこと)の効用がささやかれる事が多くなってきました。日本咀嚼学会の設立など専門家の間でも関心が高く「ガンを防ぐ」「肥満防止」など、13の効用を上げる学者もいます。要は「かむこと」と全身の健康と関係している事が少しずつうきぼりにされつつあります。


 

口腔からの刺激の入力が脳の育成に貢献する!!
 
植物状態になってしまった方は治らない、というのが医者の世界では通例となっています。しかし、医者の常識では考えられないことも、実際に沢山起きているのです。
 
ある脳神経外科に在籍している看護士の方は、植物状態で意識のない人に、はじめは二人羽織のような形で介助しながら食事をさせ、そのうち、まだ意識の回復していない患者様が自分で食べ出すようになったのです。その後も、毎日できるだけ声をかけ、立たせ、風呂に入れ、そして箸を持たせ食事をさせ、歯磨きもしました。そのうち、植物状態と思われていた患者達が、自分1人で食事をしたり、トイレにいけるようになりました。意識が戻り、言葉を話し、元の生活に戻っていく人も次々と出てきたそうです。 医者もそのように回復していく理由がわからず、この看護士に、どうしてそんなことが可能なのだ、と聞いたところ、この看護士さんは、「それは先生方が考えることでしょう。」と言い返したそうです。医者というのは、それくらい頭が固く、決めてかかっている部分があるのです。
 
私の知り合いで歯科医師である米山先生は、厚生労働省の依頼を受けて、老人介護における口腔ケア-の有効性について、長年研究をされています。その研究によると、お口のケア-をきっちりとされていた方々は、そうでない方と比較すると長寿であること、また病気になってからリハビリの一つとして口腔ケア-を続けていくと、回復度合いが良いことなどが、はっきりとデ-タ-として出てきたとおっしゃっておられました(機会がありましたら、また詳しくお話いたします)。
 
病気になってからでも、お口からの刺激が脳を育成して健康回復に役立つ事実がある以上、良く噛める歯を保って、お口を健康な状態にしておくことは、とても有効な健康法であることに間違いありません。いかがでしょうか?私たち歯科医院を、皆様の健康サポ-ト担当者としてお使いになってみませんか?